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本紙個処からで連載 植田町の園部さん 全日本水墨画記念展「玉聖賞」に
いわき民報社が発行するフリーペーパー「個処から」で「墨と水の世界」を連載する、いわき真墨会元会長・水墨画教室指導者の園部祥山さん(82)=本名・榮一、植田町=が、第45回全日本水墨画記念展(日本水墨画会主催)で「玉聖賞」に輝いた。
文部科学大臣賞など3賞をはじめとする特別賞に次ぐ賞で、一般会員のなかでは最高賞となる。園部さんは喜びをかみしめつつ「生きて体が続く限り絵筆を持ちたい」とさらなる精進を誓った。
園部さんは昭和15年、田人町生まれ。平成13年に市役所を退所すると、水墨画を退職後のライフワークにするため華泉会、いわき真墨会に入会し、実力をつけた。
平成21年に日本水墨画公募展に初出品。特選を受賞したのを皮切りに、数々のコンクールで受賞を重ね、ギャラリーや美術館で精力的に作品を発表している。同27年から指導者になり、創作活動の傍ら、田人など4カ所の公民館サークルで後進の指導にもあたっている。
今回「玉聖賞」に輝いた同記念展には、無鑑査推薦で初出品した。タイトルは「涼」。描いたのは園部さんが最も得意とする主題の「滝」で、モデルは耶麻郡猪苗代町の達沢不動滝だ。うっそうとした緑のなかにある滝を力強く表現したという。
「ここ3年は家族の介護をしながら描いているが、辛い時も水墨画が心の支えになっている。長く続けるというのが一つの目標」と作品に対する思いとともに、今回の受賞を機にさらに創作意欲を高めている。
全日本水墨画記念展は27日まで、東京都美術館(東京都台東区)で開かれている。開催時間は、午前9時半~午後5時半(最終日は同2時半まで)。入場無料。