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いわき駅前大通りで社会実験 歩道の利活用探る 11月3日から

 歩道の有効活用が可能となる「歩行者利便増進道路(ほこみち)」の実現に向けて、官民一体の社会実験が11月3日から、いわき駅前大通り(国道399号)で始まる。ほこみちは国の制度で、道路占有許可が柔軟となり、歩道に椅子・机を置くことや、飲食店などを展開する要件が緩和される。市、いわき商工会議所、市中心市街地活性化協議会(平地区)、県いわき建設事務所による共催で、地元関係団体・企業が協力した取り組みで、18日まで出店希望者を募っている。社会実験は11月19日まで。
 ほこみちの制度はコロナ禍を踏まえて、にぎわいのある道路空間創出を目指し、2020(令和2)年から始まった。最大で20年にわたって使用することができ、今年3月時点で全国109路線に設けられているが、福島県にはまだない。
 いわき市での社会実験は、平字三町目のイタリアンレストラン「La Stanza(スタンツァ)」のオーナーシェフ・北林由布子さん(53)によるワークショップがきっかけだった。
 平の街で育った一人として、休日も閑散とする店舗周辺に、何とかして活気をもたらしたいと常に願っていた北林さん。いわき市の都市計画に携わる機会を持ち、ほこみちの制度を知った。
 平三町目商店会の主催で、今年6月に高校生・高専生を対象に、初のワークショップを行い、自由な意見を手にした。さらに年代を変えて重ね、県や市とも連携する運びとなった。「何気なく高校生たちが語り合ったり、大人がわくわくしたりできたらうれしい」と話す。
 社会実験のコンセプトは「いわき駅前公園化計画」。会場はJRいわき駅前から、東邦銀行いわき営業部前までの約250m。椅子・机、芝生等を設ける空間の彩りや、飲食ブースやキッチンカーによる販売、ダンスや楽器演奏などの各種活動が想定されている。
 時間は午前10時~午後8時(イベント内容によって適宜相談は可)。飲食・物販3ブース、空間活用のプログラム3ブースを募集している。
 社会実験の期間中、店舗による仕掛けも用意されている。北林さんは昼はコーヒーの提供、夜はたき火と熱燗の販売を予定する。「夕暮れが早まる中、街なかにたき火が灯る様子は感動的だと思う。ふと足を止めてもらえれば」と期待を寄せている。

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