川前地区の二条大麦と生ホップによるクラフトビールとして、今年も新たな「いわき乾杯!KAWAMALE(カワマエール)」が完成した。中山間地の魅力を発信する狙いで始まった取り組みで、クラフトビール造りは3年目を迎える。
メインで活動するのは、昨年3月まで川前地区地域おこし協力隊を務めた三戸大輔さん(36)で、今夏をめどに醸造所「SANDI BREWERY(サンディーブルワリー)」を本格稼働する。
泉町出身の三戸さん。30歳のころ、オーストラリアで自家製ビールと出会い、広島県からふるさとにUターン。2020(令和2)年6月から、川前地区地域おこし協力隊に就き、クラフトビールの製造を志し、これまでペールエール、セゾンの2種類を手がけた。
第3弾の今回は、ドイツの伝統的なスタイルのヴァイツェン。「バナナやリンゴ、クローブのような香りが特徴で、フレッシュで優しい苦みを楽しめます」と三戸さん。昨夏は猛暑やゲリラ豪雨に襲われ、二条大麦と生ホップの栽培には苦労したが、納得のいく一杯ができ上った。
1、2日には、いわき市では初めて一般にお披露目された。JRいわき駅に直結する商業施設「エスパルいわき」を会場に、田村市都路町のクラフトビール醸造会社「ホップジャパン」が全面協力し、生ビールが提供されている。
3月は16日に「ゲストハウス&キッチン Hace(ハセ)」(常磐湯本町)、23日に「ゲストハウス&ラウンジFARO(ファロ)」(平字三町目)、24日に「ピアノ&カフェバー フェルマータ」(平字新川町)でも販売される。
今後は商業ベースで、川前発のクラフトビールを展開していく。三戸さんは「いわき市をおいしいクラフトビールで盛り上げていく。そして川前の素晴らしさを、多くの人に知ってもらいます」と意気込みを示した。初年度は年間6千リットルの製造を予定している。
(写真:エスパルいわきでお披露目された第3弾の「カワマエール」。左は三戸さん)
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