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パリパラ五輪・柔道銀の半谷静香選手 母校に凱旋 いわきのスポーツ振興に意欲
パリパラリンピックの視覚障害者柔道女子48kg級(J1=全盲)で、銀メダルに輝いた半谷静香選手(36)=平中平窪出身、トヨタループス=は24日、母校の平上片寄・東日大昌平高を訪れ、柔道部の後輩たちに目標に向かう大切を伝えた。
半谷選手は2012年ロンドン大会から4大会連続でパラ五輪に出場し、パリ大会では柔道競技で県勢初のメダルを獲得した。凱旋に合わせ、報道各社のインタビューに応じた。
進行性の目の疾患「網膜色素変性症」で生まれつき弱視の半谷選手は、兄の影響で中学から柔道を始めた。平一中、東日大昌平高と進む中で徐々に視力が低下し、視覚・聴覚の障害に特化した筑波技術大で視覚障害者柔道に転向した。
「もともとスポーツが苦手で、柔道も好きではなかった。しかし月日を重ねるごとに、柔道に手ごたえを感じるようになり、好きになって上手になった」と半谷選手。渡航前には後輩たちの協力で事前調整を進め、パリ大会では得意の粘り強さを発揮し、準々決勝、準決勝ではゴールデンスコア(延長戦)にもつれ込むと、「自分の柔道に持ち込めた」と笑顔で振り返る。
決勝では惜しくも一本負けを喫したが、「納得の銀だと思っている。(畳の上では)一人ではあるが、みんなに背中を押してもらえた」とにっこり。パリ大会の舞台については「光に包まれ、とても温かく感じた。ただ実際には冷房が効きすぎて、寒かったくらいなんですが……」と笑いを誘った。
現役は続行する意向で、さらに3年前の東京大会を終えて以降、クロスカントリーにも挑戦しており、国内外の大会にエントリー。〝二刀流〟の先には、2026年ミラノ・コルティナ大会があるに違いない。
今後に関しては「いわきからオリンピック・パラリンピックを目指す子どもたちが一人でも増えるよう、私にできることをしたい。そして障害がある人もスポーツに親しめるよう、私の経験を文章で体系化できれば」と意気込みを示した。
<市民スポーツ栄誉賞の授与決定>
内田市長は24日、半谷選手の功績をたたえ、市民スポーツ栄誉賞を贈るとともに、いわき応援大使に委嘱すると発表した。同日の定例記者会見で明らかにした。表彰式・交付式は10月15日に予定する。
(写真:パリ大会の銀メダルを手にする半谷選手)