江藤拓農水相は20日、小名浜魚市場で、県漁業協同組合連合会(県漁連)の野﨑哲会長と面会した。江藤氏は10月27日に発足した第2次石破内閣で、2019(令和元)年9月~20年9月の第4次安倍第2次改造内閣に続いて農水相となり、就任後初めて県漁連幹部との意見交換に臨んだ。
面会の様子は冒頭のみ公開され、江藤氏は前回訪ねてから5年が経過し、復興がより進んでいると指摘。東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出に対しても謝意を示し、「改めて皆さんのお話を聞き、われわれに何ができるかを考えたい」とあいさつした。
野﨑会長は「海洋放出には慎重な対応を取っていただき、大きな混乱なく漁業に従事できている。仲買業者に向けた荷さばき施設が完成し、衛生管理を一気通貫で中央にお届けできる体制も整った」と説明。試験操業が終了し、本格操業に向けて励んでいる最中と述べ、国の助成事業「がんばる漁業復興支援事業」を通じ、福島の漁業の再構築を要請した。
意見交換では、江藤氏が東日本大震災からの復興に重点的に取り組む「第2期復興・創生期間」が来年度で終了する件に言及し、延長などを検討していると伝えた。原発処理水を巡っては、野﨑会長が「水産庁はわれわれのサイドに立って、注意深くやってほしい」と求め、引き続き最後の一滴まで反対である考えを明らかにした。
江藤氏は隣接する市観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」に移動し、常磐ものからカツオやアジの刺し身、メヒカリの唐揚げ、アオサのみそ汁などに舌鼓を打ち、県産品のおいしさを再確認していた。
(写真:意見交換の冒頭であいさつする江藤農水相)
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