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いわき市出身・富田望生さん 映画「港に灯がともる」初主演 震災後の神戸舞台

 いわき市出身の俳優富田望生さん(24)の映画初主演となる「港に灯がともる」が、都内でワールドプレミアを迎えた。阪神・淡路大震災の発生直後に生まれた富田さん演じる主人公「灯(あかり)」を通じ、震災後の兵庫・神戸と人々、そして灯と家族の心の復興を描いた作品で、同震災から30年の節目となる来年1月17日から全国で順次公開。
 「私の故郷いわきでも公開を迎えられますようにと願っています! 是非、お心を寄せていただけたら嬉(うれ)しいです。どうぞよろしくお願いいたします」と本紙にコメントを寄せた。
 とても心に沁(し)みる良い作品だった――。都内のTOHOシネマズ日比谷で行われたワールドプレミアで、報道陣の多くがそう口をそろえた。
制作したのは、震災後の被災者の心のケアに取り組んだ精神科医・安克昌さんの著書「心の傷を癒すということ」を原作とした同名映画の上映活動を各地で続け、神戸に昨年誕生したばかりの映像制作会社「ミナトスタジオ」。
 撮影開始の1週間前から神戸に住み、信頼するスタッフや街の人々に支えられながら、在日韓国人3世として生まれ、出自と親から伝えられた震災の記憶の板挟みとなり、双極性障害を発症するまでに自身を追い詰めてしまう女性、灯(あかり)の半生を演じた。
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 富田さんはいわきで東日本大震災に遭い、東京に拠点を移した経験から、度々「(阪神・淡路大)震災に共感した部分はあるか」などといった質問を受けるというが、プレミアでは「(灯と違い)震災を経験している、そこの違いは一番難しかった部分。自分の経験は灯を演じる上でいい経験ではなかった。その記憶を空っぽにする時間が必要で、とても難しかった」と思いを吐露。
 「灯との旅が心の拠り所になれば、少しでもこの世界がちょっと優しくなるのではないか」と言葉を続けた。別のインタビューでは、被災者に心を寄せながら「向き合い方の一例を作品として残していくことは大事だな、と感じた」と思いを明かしたこともある。
 映画は福島市のフォーラム福島で公開が決まっており、ほかは映画公式サイト<こちら>で随時発表される。
 (写真:ワールドプレミアで思いを語る富田さん=(C)TIFF2025)

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