いわき市平出身で、サッカー女子のドイツ1部・ブンデスリーガのアイントラハト・フランクフルトに所属する千葉玲海菜選手(25)は21日、常磐上湯長谷町のドームいわきベースで、地元関係者に向けたトークショーに臨んだ。市内でサッカーに取り組む少年・少女を含む約100人が参加し、いわきから世界に羽ばたいた軌跡について触れた。スポーツによる人・まちづくり推進協議会の主催、NPO法人いわきサッカー協会の共催。
千葉選手は兄の影響で小1からサッカーを始め、いわき市のすずかけサッカースポーツ少年団、リベルダード磐城を経て、静岡・藤枝順心高、筑波大でプレー。大学時代から女子プロサッカーWEリーグ「ジェフユナイテッド市原・千葉レディース」の特別指定選手に登録され、2022年に正式に加入した。
同年4月には、日本代表「なでしこジャパン」に初招集。通算16試合・4得点で、いずれも8強に入った昨夏の女子ワールドカップ(W杯)、今夏のパリ五輪にも出場した。今年1月からはEフランクフルトに移籍。2年目の24-25年シーズンはリーグ戦11試合で5得点を挙げており、チームが首位でウインターブレイクに入った原動力となっている。
トークショーはフリーアナウンサー・立原めぐみさんの進行で行われ、サッカーに打ち込んできたキャリアをひも解いた。また併設するいわきFCパークで、千葉選手によるサッカー教室が開かれた。
千葉選手は今季の好調の要因に関して「慣れるまで時間がかかるという訳ではないが、昨季はシーズン途中からの加入だったが、今季は周りのみんなに(自分のプレーを)理解してもらい、自分も成長できているのでは」と語った。
10月のホーム・フライブルク戦では、わずか4分の間にハットトリックを達成。「うれしかったです。でも実はあと少しでギネス世界記録だった」という。
ポーランド代表のFWロベルト・レバンドフスキ選手(36)=スペイン1部・FCバルセロナ=が、ドイツ1部のバイエルン・ミュンヘンに所属していた2015年9月、3分22秒でハットトリックを決めており、「23秒差で2位だった」(千葉選手)。もちろん女子サッカーでは世界記録だ。
現地時間13日のアウェー・イェーナ戦でも、ペナルティーエリア前で相手守備に競り勝つと、自ら仕掛けてGKを交わし、ゴールネットを揺らした。07-08シーズン以来のリーグ優勝を目指す中で、「チームの良い調子に乗れるよう、より得点を取りたいし、(途中出場が多いので)もっと長い時間出られるよう頑張りたい」と意気込んだ。
(写真1枚目:トークショーに臨む千葉選手 2枚目:サッカー教室に参加した子どもたち)