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磐城平城の公園は供用開始1年遅れに 石垣の調査に時間要して工事中断
平字旧城跡の磐城平城本丸跡地を巡り、市が整備を進めている「磐城平城しろあと公園」について、供用開始が1年遅れ、2026(令和8)年春になる見込みとなった。
昨年4月にJRいわき駅側の入り口に設けるアプローチ階段のわきから、想定していない石垣が発見されたためで、調査に時間を要したためという。当初は22年春のオープンを予定していたが、20年に本丸御殿跡の一部とみられる遺構が確認されたためずれこんでいた。
磐城平城は1603(慶長8)年から12年かけて、旧磐城平藩の初代藩主・鳥居忠政が城下町と合わせて整備したとされ、1868(慶応4)年の戊辰戦争によって落城。太平洋戦争後に再建の機運が高まったが、資金難からとん挫した。
2008(平成20)年以降、まちづくりの観点から利活用に対する議論が盛り上がり、本丸跡地の一般公開を経て、市が17年から公有地化の取り組みを始めた。
アプローチ階段のわきで見つかった石垣に関しては、籠城時の水の確保や防火水槽の役割を担った「白蛇堀」と推定されたが、形状から異なる可能性があるという。近接する西櫓と比較し、しっかり成形されていた。
市では昨年5月の時点で、詳細な調査は3カ月程度とし、整備計画に遅れは生じないとの考えを示していた。ただ実際には半年程度かかり、工事再開は昨年11月だった。
敷地内には、磐城平城の城郭復元CGなどを交えた「体験学習施設」が完成しており、その他の進ちょく状況を踏まえ、今秋のプレオープンも検討している。
公園全体の広さは約1・52ha。入り口は3カ所で、メインの芝生広場に加え、憩いの広場や展望デッキもあり、公園の良好な景観との調和を重視しつつ、全体として品格ある「和」を基調としている。
(写真:整備が進む磐城平城しろあと公園)