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勿来関文学歴史館 磐城平藩とのかかわりテーマに企画展 8月24日まで
市勿来関文学歴史館の企画展「磐城平藩と勿来関」が8月24日まで、同館で開催されている。勿来関は、和歌や俳諧に秀で、風虎の俳号を持つ文人として知られる旧磐城平藩の内藤家第3代藩主・義概(よしむね)侯が自藩の価値を高めるために歌枕〈和歌に詠まれる名所〉を領内に整備する事業の一環として、同地を歌枕に『設定』だ。
江戸前期に植桜したことにより認知度が高まったとされ、今展では同藩と勿来関の関わりの解説とともに、近年調査が進む磐城平城本丸跡とJRいわき駅前のホテル新設工事に伴う田町曲輪、内堀跡の発掘の成果が紹介された。
今展ではそれらの経緯、そして内藤家時代から井上、安藤家に至る磐城平藩主の変遷を解説。磐城平藩領の情景などが描かれた、同館所蔵の西山宗因「奥州紀行」とともに、元文2(1737)年4月~延享4(1747)8月ごろのものとされる内藤家文書からの「奥州磐城平城絵図」(明治大博物館所蔵)などを展示する。
磐城平城への理解を深めてもらうため、2019(令和元)、20年度に実施された同城本丸御殿跡、21年度に行われたJRいわき駅南側の田町曲輪・内堀跡の発掘調査で見つかった陶器や磁器の椀、皿、急須、小壺、石硯、丸瓦など76点が、発掘調査時の写真や資料と一緒に飾られ、歴史ファンたちの熱視線を集めている。
会期中、6月7日には、同館を運営する市教育文化事業団から特任研究員の中山雅弘さんを講師に招いた講演会「磐城平城本丸御殿の発掘調査」が勿来の関公園体験学習施設「吹風(すいふう)殿」で開催される。
時間は午後2時~3時半で、定員は50人(先着順)。また毎月、同館学芸員によるギャラリートークもある。詳しくは<こちら>。
(写真:歴史ファンの熱視線を集める企画展「磐城平藩と勿来関」)