県立いわき公園内の市暮らしの伝承郷で、本年度第1回企画展「いわきの民話と伝承文学」が行われている。いわき地方に分布するさまざまな民話や伝承に焦点を当て、これらに関連する民具資料や年中行事に加え、市内で郷土史を伝えてきた取り組みを紹介する。8月17日まで。
また市教育文化事業団の関係施設による「江戸時代のいわきと磐城平城」連携事業として、磐城平城にまつわる民話のコーナーを特設した。
展示は3部構成となっており、「伝承文学といわき」「いわき市内の民話」「昔話を伝える人々」に分けて解説している。
いわきの昔話にまつわる同館収蔵の民具をはじめ、1992(平成4)年まで四倉小の一角に立っていた旧四倉史学館で展示していた各種資料、市考古資料館や市アンモナイトセンターの収蔵品、近世磐城平藩関連史料など、市指定文化財をはじめ約120点とともに、市内の昔話を伝承した場所のパネル写真およそ260点を見ることができる。
会場では、平北神谷生まれの民俗学者・高木誠一(1887~1855)についても取り扱っている。高木は『遠野物語』などで知られる民俗学の第一人者・柳田國男と交流し、いわき地方の伝承調査に取り組んだ。
会期中には6月8日に「民話を語ろう会」、7月20日に「いわき民話の会」のメンバーが、それぞれ民話を披露する。いずれも時間は午後1時半から。定員50人(申し込み不要)。
同館職員による展示解説会も催される。24日、6月7、21日、7月5、19日、8月9日。各回とも午後1時半から。参加費無料(要観覧券)。
また企画展の関連事業として、10月12日午後1時半から、伝承郷講座「いわきの人々と蛇との話」が開催される。夏井芳徳さん(医療創生大客員教授、いわき地域学會代表幹事)が講師を務め、いわき地方の民話や伝説を踏まえ、先人たちとヘビのかかわりなどをひも解く。
観覧料は一般340円。時間は午前9時~午後5時(最終入館は同4時半まで)。休館日は毎週火曜日。
(写真:伝承郷で行われている「いわきの民話と伝承文学」)
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いわき市暮らしの伝承郷 地元の民話と伝承文学テーマに企画展
