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いわき市の60代女性 厚労省や警察かたる電話信じ 約1億円の詐欺被害
いわき中央署は25日、同署管内に住む60代の女性が厚生労働省の職員を名乗る男の保険証偽造の話などを信じ、約9980万円相当の暗号資産がだまし取られたと発表した。同署ではなりすまし詐欺事件とみて、捜査を進めている。
同署によると、今年4月下旬ごろ、女性の自宅に厚生労働省の職員を名乗る男から「息子さん名義の保険証が偽造され、違法な薬が処方されている。この事件を担当する警察署に被害届を出してほしい」との内容の電話が入った。
女性は指示を受けた先に連絡すると、警察官を名乗る男から「親子の名義で偽造されたカードが被疑者に使われており、あなたに被疑者へ50万円を渡した疑いがかけられている。このため大手銀行口座に資産を移動させ、資産をひとつひとつ確認して潔白を証明する必要がある」などと言われた。
その後SNSのビデオ電話がかかり、検察官を名乗る男から身分証明書を見せられたことで信用し、指定されたアドレスに向け、インターネットを通じて購入した約9980万円相当の暗号資産を送金した。
さらに女性が金融機関で高額の現金を下ろそうとした際に、不審に思った職員から警察への相談を促され、同署に相談して事案が発覚した。
同署では、警察官がSNSで連絡や金銭を要求することはないとして、身に覚えのない不審な電話やメールがきた際は詐欺を疑い、すぐ警察に通報するよう注意を呼び掛けている。
(資料写真:いわき中央署)