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高校生らが地元の魅力探る いわきアカデミア10周年 当時参加した社会人交え
市と産業界やNPOが連携し、次代を担う人材を育てるプロジェクト「いわきアカデミア」。2016(平成28)年5月に始まり、小学生から大学生まで年代に応じ、地域の産業を知ったり、地元で働く意味を考えたりする機会となっている。
今年で10周年を迎える中、24日には平字三町目のゲストハウス&ラウンジFARO(ファロ)で、「探究カフェ スピンオフ」と銘打ち、高校時代に参加した社会人6人を交え、高校生・大学生9人が「私のいわき、私の青春」のテーマでワークショップを展開し、いわき市の魅力をともに探った。
探究カフェはいわきアカデミアの一事業として、本年度から加わった。市内の高校生を対象に、自己探究や問題解決力を高めるとともに、学校外での自由なプロジェクト活動や議論を通じ、愛郷心を醸成するほか、新たな視点を得ていく狙いがある。
8月にまちづくりや持続可能な開発目標(SDGs)を巡り、いわき市で活躍するプレーヤーの講話から学びを得た。
今回のスピンオフでは、キャリアデザインに臨む「大学生地域実践ゼミ」のメンバーを含め、若者の目線で地元を周遊するデートプランを考えながら、改めていわき市の良さに触れることを試みた。
ワークショップでは2つの班に分かれ、テーマ・移動手段・予算をランダムに選択。「歴史と文化に触れるコース、車利用、1人当たり5千円以内」と「自然・アウトドアリフレッシュコース、自転車、1人当たり2千円以内」の設定で意見交換した。
それぞれに課された制約のもと、久之浜町の波立海岸や小名浜アクアマリンパークなど、いわき市を代表する海辺に足を運ぶ内容が飛び出し、甘酸っぱい行程を完成させた上で、参加した高校生らは自分たちのふるさとの強みに気付いた。
滝沢穂さん(磐城高・1年)は「探求カフェを通じ、いわき市の素晴らしさが分かった。まだ将来の夢は固まっていないが、この経験を大いに生かしたい。そしていわきの良さをもっと伝えられるようになりたい」と笑顔で語った。
いわきアカデミアでは小学生向けに社会科の授業で活用できる「会社発見ガイドブック」、小・中学生に対して企業の関係者が専門講師を務める「総合学習サポート事業」、高校生が市内企業を訪問し、仕事への情熱や職業観などを養う「いわき発見ゼミ」なども行われている。
(写真:ワークショップで意見交換した結果を発表する高校生ら)