海外渡航はこれまで2度ある。ここ10年の間だが、当時の市観光物産協会(現いわき観光まちづくりビューロー)の交流企画に便乗し、いずれも中国・上海市に赴いた▼宿泊先は、市内でもハイクラスな錦江飯店。2度目の際、そのホテルの懇親会で撮った記念写真がある。真っ赤なプレートに白抜き文字で書かれた「熱烈歓迎 磐城市観光物産協会」。現地の当局者と親しく懇談したことを思い出す▼そのうちの1人に日本語が堪能な女性がいた。確か両国間に靖国参拝に関する微妙な問題が持ち上がっていた時期で、それとなく水を向けてみたが「政治的なことは、すべて北京ですから」と上手くかわされたものだ▼領土問題で反日行動が激化する中国。暴徒化した民衆は日本企業などに無法行為を続ける。いわき市内には民間の友好協会があると思うが、何らかのメッセージを発信できないものか。もっとも、熱くなった人心には届かないかもしれないが。
片隅抄