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片隅抄

2020.3.10

東日本大震災から明日で丸9年を迎える。日常の中で被災の生々しさを感じることはほとんどなくなった▼新型コロナウイルスの影響から震災関連式典の中止、規模縮小を決めた自治体も少なくない。先日、地震の後の大津波によって家が流失し、近くに住居を新築した人の話を聞いた。「復興工事はほぼ終了し、震災のつめ跡が地域から薄れていく中、今後は震災の記憶をいかにして伝えるかが大切」の言葉が印象的だった▼昨秋、市内を襲った台風19号、その後の豪雨によって平窪地区を中心に甚大な被害が出た。被災者は避難所に入り窮屈な避難所生活を強いられた。大震災の時もそうだったが、避難所生活が長引くにつれ、被災者の健康、プライバシーの確保といったさまざまな問題が浮き彫りになった▼今後も大規模災害が予想されるだけに、いつ自分が避難所で暮らすようになるか分からない。大震災で得た教訓を基に、避難所の質の向上にも目を向ける必要がある。

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