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いわき市の24年救急出動 前年比若干減の約1万6千件 病院収容までは時間短縮
いわき市の昨年1年間の救急搬送状況がまとまった。出動件数は1万6032件(前年比62件減)で、過去最多だった2023(令和5)年を若干下回った。搬送人員は1万4008人(同137人増)。
救急活動時間の平均に関しては、入電(119番通報)-現場到着が11分43秒、入電-現場到着-病院収容が51分38秒。新型コロナウイルスの感染拡大もあって、近年は病院収容まで長時間かかるケースが見受けられていたが、この2年でそれぞれ58秒、3分43秒の短縮が図られた。いずれも2年連続で短くなった。
併せて病院問い合わせ件数も減少しており、問い合わせ回数4回以上・現場滞在時間30分以上は2022年と24年では252件減った。
背景には、すぐ到着できる救急車を手配する「直近選別方式」や、現場に向かう途中で患者の情報を聞き取る「プレアライバルコール」を導入しているほか、需要の多い小名浜消防署の第2救急隊を24時間で運用している点が挙げられる。
今後の取り組みとしては、消防署配属の救急救命士1人勤務を無くすことで、安定した救急サービスを継続的に提供。医師が現場に駆け付けて早期治療をする車両「ドクターカー」は、4月から市医療センターに救急救命士を常勤配置することで、現在の週3回(月曜・水曜・金曜)のみから、月曜から金曜に拡充。傷病者発生現場での救命救急医療体制を強化していく。
さらに市病院協議会とも連携し、4月から病院ごとの救急車受け入れについて新たなルールを始める。主に曜日ごとや傷病に応じ、あらかじめ優先する病院を決めることで、スムーズな搬送を実現させるという。3月までに策定を目指す。
また市民の大切な命を守るため、市消防本部では引き続き救急車の適正利用や、救急電話相談「#7119」の活用を求めている。
(表:いわき市の救急活動時間)