田村市都路町のクラフトビール醸造会社「ホップジャパン」は28日、JRいわき駅に直結する商業施設「エスパルいわき」に、直営1号店となる「ホップジャパンTapRoom(タップルーム)いわき」をオープンした。
ホップジャパンのクラフトビールは、自社栽培のホップにこだわりを持っていることで知られるが、多くの人に飲んでもらう機会を提供しようと、いわき市に進出することを決めた。開放的な店内には、ビールを注ぐタップが並び、初日から多くの市民らが足を運んでいる。
ホップジャパンのある田村市都路町は、東京電力福島第一原発事故に伴い、一時は警戒区域や避難指示解除準備区域に指定された。そうした中で地区の復興を目指し、アウトドア施設「グリーンパーク都路」に醸造所を設け、クラフトビール造りを進めている。
タップルームいわきは立ち飲みスタイルで、常時7種類のクラフトビールに加え、季節限定1種類を販売している。さらに英国発祥で、通常のビールとは炭酸の度合いが低い「リアルエール」についても、準備ができ次第提供を始める。
いわき市では地元飲食店主を中心に、クラフトビールのイベント「ビア博いわき」が行われており、昨年は3日間で7千人あまりが訪れた。この背景を踏まえ、本間誠代表取締役は「いわきは小名浜にマリンエリア、湯本に歴史ある温泉とすてきな街で、平はその中心。クラフトビールに理解がある土地柄なので、地元の皆さんをはじめ、観光で訪れた方にも、ぜひ飲んでもらいたい」と笑顔を見せる。
また「常磐線沿線には富岡の『とみおかワインドメーヌ』、浪江の『鈴木酒造店』、南相馬・小高の『ぷくぷく醸造』と立地している。これからの浜通りは復興から観光に転換するので、共に手を携えて盛り上げていきたい」と力強く語り、連携したイベントの構想も示した。
営業時間は午前11時から午後10時まで。エスパルいわきの定休日以外は無休。
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