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原発処理水の海洋放出で西村経産相来市 県漁連は改めて反対
西村康稔経済産業相は22日、政府が東京電力福島第一原発の処理水を、24日にも海洋放出する方針を決定したことを受けて、中央台飯野の県水産会館を訪れ、県漁業協同組合連合会(県漁連)の野﨑哲会長と会談した。
会談は冒頭を除いて非公開で行われ、野﨑会長は従来通り海洋放出に反対する考えを伝え、「安全に計画通りに進むか不安」と指摘した。西村氏は「政府を挙げて全責任を持って、海洋放出の完遂と漁業の存続に対応する」と応えた。
政府と東電が2015(平成27)年、県漁連と処理水は「関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」と約束した件について、野崎会長は「30~40年かかる廃炉が終わって、福島の漁業が継続できていれば、初めて理解できたとなる」と明かしている。その上で「約束は果たされていないが、破られたとは考えていない」とも語る。
西村氏は会談後、「漁業者と国・東電は、復興と廃炉という共通の方向を向いている。(県漁連との)約束を果たし終わったわけではなく、守り続けている状況にある。福島の漁業が、子や孫の代まで継続していることを、政府として約束している」と強調した。
海洋放出が24日となった点に関しては、7月に国際原子力機関(IAEA)から包括報告書を公表され、安全性が示されたほか、風評被害に備えた基金などの説明に、一定の時間が必要だったとした。さらに9月1日に底引き網漁が解禁されることから、漁期前に十分なデータを提供し、「安心して漁に行ってもらえる」と述べた。
ただ依然として、漁業者の反発は強く、西村氏は「これからも寄り添っていく」と断言したが、会談に同席した市漁業協同組合(市漁協)の江川章組合長は「海洋放出には断固反対。関係者はみな怒っている。政府は今後起きかねない風評被害を、どう考えているのか」と憤っていた。