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平地区に初の地域おこし協力隊 平子真帆さん 空き店舗可視化で活用模索へ
平地区の中心市街地に対し、地方に移住して活性化に取り組む「地域おこし協力隊」が初めて導入された。4月から中央台出身で、東京都港区から転居した平子真帆さん(29)が、空き店舗など遊休不動産の解消に向けた活動に従事している。養護教諭としての勤務に加え、SNSの運営管理を行ってきた経験を踏まえ、ふるさとを盛り上げていく方法を考えていく。
「かつてはいわきが好きではなかった」。平子さんは中学3年の時に東日本大震災・東京電力福島第一原発事故に遭い、いわれなき風評に心を痛めた。大学に進学後もいわき市出身ということを、どこか公にしようとは思わない自分がいたと振り返る。
しかし改めて生まれ育った街を見た時に、「パワフルな大人たちがいっぱいいる」と感じた。JRいわき駅前の再開発や、歩道の有効活用が可能となる制度「歩行者利便増進道路(ほこみち)」に対する動きを前に、自分もプレーヤーになりたいと決意した。
市から与えられたミッション(命題)の一つとして、平中心市街地の商業形成に関する調査として、どのような業種が活性化に資するかを調査する。「空き店舗が目立つものの、いざ借りようとするとハードルが高い現状がある」と平子さん。まずはデータを一元化し、街中の状況を可視化することで、貸し手にアプローチしやすい環境を築く考えという。
また養護教諭として、子どもたちの悩みに向き合ってきたため、傾聴することは得意分野。さらにSNSの運用にもたけているとあって、世代を問わずさまざまな人たちと交流することが期待される。
5月からはほこみちをテーマに、平地区にもう1人の地域おこし協力隊員も着任する予定でもあり、新たな視点でどう街が活性化していくか楽しみだ。
(写真:4月から地域おこし協力隊員となった平子さん)